現在、我が家の12歳の息子は、AI(Gemini)を専属コーチとしてロードバイクのトレーニングに励んでいます。
今年の冬、彼は3本ローラー(室内用の練習台)での地道なベース走を積み重ね、Z2領域(お喋りができる程度の余裕ある強度)で、時速32〜36km/hを出せるまでの強靭なエンジンを作り上げました。親の目から見ても「相当な力がついてきた」という確信がありました。
▼ そもそも『Z2領域』とは何か?AIを使って息子の適正心拍数を割り出し、冬の間に強靭なエンジンを作り上げたロジカルな過程はこちら。

しかし、その後、身体のコンディションが整わず、2ヶ月近く自転車に乗れない日々が続きました。
健康を最優先しつつ、いかに身体への負担を減らして出力を戻すか。AIと相談を重ねた結果、提示された「夏の最終目標」は、私の想像を絶するものでした。
【夏の覚醒クエスト:真・アウター解放】3本ローラーにて
- 指定ギア: 34×⚫️T(かなり重めのギヤ設定)
- ケイデンス:110rpm(1秒間に2回弱も足を回す超高回転)
- 強度: Z2領域を30分間絶対キープ(涼しい顔で、全速力の回転を維持せよという指令)
計算すると、原付バイクと同じぐらいの速度を、自分の足の回転だけで叩き出し、それを30分続けろということです(3本ローラーなので、外での風抵抗がない分速度を出しやすいですが・・)。
AIは平然と言い放ちました。 「これが、彼のポテンシャルを覚醒させる数式だ」と。
今回は、この「AIからの無謀な挑戦状」を前に、親子で本気で首を傾げた3月末のリアルな記録をお話しします。
冬の「実績」と、AIが突きつけた「狂気の数式」
冬の間に時速36km/hを出せていたとはいえ、それはあくまで95rpm(通常の回転数)での話です。
そこからさらに回転数を上げ、110rpmという「足がバラバラになりそうな超高速回転」で、なおかつ心拍を上げずに「涼しい顔(Z2)」をキープする。
自転車に乗らない方には伝わりにくいかもしれませんが、これは「全力疾走のピッチで足を動かしながら、呼吸は鼻歌まじりでいろ」と言われているようなものです。物理的に、そして生理学的に、そんなことが可能なのか?
実際にやってみた息子の記録は、目標の時速よりも10km/hも遅く、 目標には全然到底届かず、少しでも回転を上げようものなら、心拍数は一気に跳ね上がり、Z2どころか「全力の限界」まで達してしまいました。
AIが示したゴールは、霧の向こう側ですらなく、別の惑星にあるように見えました。
3月末の泥臭い現実。「ふくらはぎ」から「太もも」へのフォーム改造
さらに、私たちの現実は「ブランク明け」という重い課題も抱えていました。
2ヶ月の空白を埋めるため、取り組んでいたのは「ペダリングの根本的な改造」です。 これまでは「ふくらはぎ」の筋肉を使いがちだったペダリングを、より大きな筋肉である「太もも」中心にシフトさせる。そのために、まずは「100rpm」を安定して回し続ける特訓にかかりきりでした。
正直なところ、目標の110rpmの練習なんて、この時点では1秒もできていませんでした。
100rpmを維持するだけで、フォームを意識しすぎて意識が飛びそうになる。そんな状況で、さらにギアを重くし、回転を上げ、30分も耐えるなんて……。
(Geminiさん、いくらなんでも今の息子にそれは高望みしすぎじゃないか?)
仕入れ担当である私ですら、AIが提示した「最高の素材(目標)」を疑いたくなるほど、3月末の息子はまだ、未完成の「原石」でしかありませんでした。
あえてこの「予言」を公開する理由。AIの精度を信じきれない親子の本音
実際にペダルを回している息子は、もっと冷静です。
「パパ、110rpm、30分なんて、今の僕には絶対に無理だよ。心拍がZ2に収まるわけがない」
その言葉に、私は何も言い返せませんでした。親の目から見ても、今の彼のパフォーマンスと夏の目標の間には、絶望的なまでの距離があるように見えたからです。
それでも、あえて今、この高い壁をブログに公開することにしました。
なぜなら、もし今年の夏に彼がこの途方もない目標を達成できたなら、Geminiのシミュレーション能力は「本物」だと証明されるからです。
「人間の直感では無理だと思えることも、データに基づいたAIの予言なら的中するのか?」
3月末、私たちはまだその答えを知りません。
半信半疑のまま、私たちはAIが描いた「真・アウター解放」という名の地図を信じて、最初の一歩を踏み出すことにしました。
【親のためのマネジメント視点】今日の気づきとメソッド
ビジネスの現場でも、「今期はこれだけの数値を達成しろ」という目標が、現場の実感とかけ離れていて「無謀なノルマだ」と反発が起きることはよくありますよね。
今回、私が学んだのは、「あえて実力よりも少し高い『ストレッチ目標』を、AIという第三者に設定させる」ことの妙味です。
もし私が「110rpmで回せ!」と言えば、それは単なる親の押し付けになり、親子喧嘩の火種になります。
▼ 過去に私が『親の期待』という重荷を背負わせ、息子のモチベーションを潰しかけた苦い経験があるからこそ、この『AIへの外注』が活きてきます。

しかし、AIが「データの計算上、君ならできる」と提示することで、私たちは「じゃあ、どうすればそれが可能になるのか?」と同じ方向を向いて考えることができます。
マネジメントにおいて大切なのは、現状の延長線上で考えることではなく、「今は見えない可能性」を信じて、適切な負荷(目標)を置き続けること。
8月に私たちが笑っているのか、それともAIに「ほら見たことか」と肩をすくめているのか。
その答え合わせを楽しみに、私たちは今日もローラー台に向かいます。

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