(中編のあらすじ:コーチのご褒美作戦でローラー台に乗り始めた息子。しかし途中で不機嫌になり連続記録の危機に。そこで「1日くらい休んでもいいんじゃない?」と逃げ道を作ったことで、彼はプレッシャーから解放されていきます)
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途切れた記録と、自分から掲げた「再スタート」
正直に言うと、目標だった「1ヶ月連続」の記録は、途中で途切れてしまったんです。
以前の彼なら、「もういいや」と完全に心が折れて、また元のゲーム漬けの毎日に逆戻りしていたかもしれません。でも、今回は違いました。
「今日から、また1ヶ月やるよ!」
なんと、自分から新しい目標を掲げて、ダメでもやり直そうと立ち上がったんです。 その言葉通り、気づけば我が家では「1日30分、ローラー台に乗る」という習慣が、ごく自然に定着していました。
助手席のネガティブ発言が、誇らしげな笑顔に変わった日
その成果は、スクールの集団走行練習(小学生クラス)で目に見えて表れました。
以前は、練習に向かう車の中で「今日は多分ついていけないわ…」とネガティブな発言ばかり繰り返し、一人だけ集団から遅れて悲しそうな背中を見せていた息子。
しかしある日、練習を終えた彼が、弾むような足取りで私のところに駆け寄ってきたんです。
「今日は最初から最後までついていけた! 前もちゃんと引けたよ!」
満面の笑みでした。 親である私は集団の前を引いている姿を直接見ることはできませんでしたが、彼のその誇らしげな表情を見た瞬間、嬉しさと同時に「よかった…」と心からホッとしました。
さらに、小学生クラスのレースでも先頭集団に食らいつき、最後のスプリント勝負にも絡めるようになって、本気でレースを楽しめるようになりました。 帰りの車内では「1位の子は頭がいいわ〜」なんて、得意げにレース展開を解説してくれるまでになったんです。
3日間で300kmの冒険と、当たり前になった「練習」
自信をつけた彼と一緒に、親子で「3日間でトータル300km」という壮大なロングライドの旅にも挑戦しました。この大冒険を乗り越えた経験が、彼の心をさらに強くしてくれたようです。
今では、家で1時間もローラー台に乗れるようになりました。
もちろん、まだまだ子どもなので、自分からゲームをパッと切り上げるまでには至りません(笑)。 でも、「寝る時間を考えて、そろそろゲームやめてローラー乗った方がいいんじゃない?」と軽く声をかけると、「わかった」と素直に返事をして、文句一つ言わずにその日の練習メニューをこなすようになりました。
「練習しなさい!」と怒鳴りそうになっていたあの頃には、絶対に想像できなかった穏やかな光景です。
親にとって一番のご褒美:彼が5000円を断った日
すっかり練習が定着した頃。私はふと、コーチが提案してくれた「1ヶ月続いたら5000円」というご褒美のことを思い出しました。
でも、息子からは一向にお金を請求してくる気配がありません。不思議に思って聞いてみると、彼は照れくさそうに、でもハッキリとこう言ったんです。
「自分が上達したのにお金もらうって、変だと思ったから。だから言わなかったよ」
これを聞いたとき、私は胸がいっぱいになりました。
最初は「欲しいパーツを買う足しにする」というお金(ご褒美)目当てで始まった練習でした。でも、一生懸命ペダルを回し、集団についていける喜びを知った彼は、いつの間にか「自分が成長することそのもの」を一番のご褒美だと感じるようになっていたんです。
親として、これほど嬉しいことはありません。
この1年間、喉まで出かかった正論をグッと飲み込み続けた日々は、決して無駄じゃなかった。彼はもう、親が無理やり引っ張らなくても、自分で「自分のエンジン」をかけられるレーサーになったんです。
おわりに:同じように悩む親御さんへ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
仕事のマネジメントならセオリー通りにいくことでも、思春期の子育てとなると全く別物ですね。私自身、何度も失敗し、喉まで出かかった小言を必死に飲み込む日々は、中学生になった今も相変わらず続いています(笑)。
でも今回、親が「ああしろ、こうしろ」と無理やり重いギアを踏ませるような『マイクロマネジメント』を手放し、本人が自分のペースでペダルを回し始めるのを信じて待つことで、子どもは必ず自分のタイミングでエンジンをかけてくれるのだと、息子から教わりました。
もし今、お子さんの習い事やスポーツへの向き合い方で、「どうしてうちの子は…」と一人で思い悩んでいる親御さんがいたら。この泥臭い我が家のエピソードが、「あぁ、悩んでいるのはうちだけじゃないんだな」と、少しでも肩の力を抜くきっかけになれば本当に嬉しいです。
我が家のロードバイクへの挑戦も、まだまだ試行錯誤の真っ最中。これからも、カッコいい成功談だけでなく、親としての等身大の悩みや葛藤を、このブログでリアルタイムに綴っていこうと思います。
正解のない子育てですが、お互い、子どもの「自分のエンジン」を信じて、隣で伴走していきましょう!

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